日誌

主に発症時の記録

シックデイのインスリンについて

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 さぬき市民病院 糖尿病センターのインスリンマニュアルに、シックデイ時の対応について具体的に記述されていたので(シックデイの際は主治医の指示を仰ぐことが大原則なものの)備忘として抜粋しておきます。

※本記事は個人的な備忘録です。抜粋内容を推奨するものではなく、また内容に関して生じた損害等の一切の責任を負いません。

さぬき市民病院 糖尿病センター「インスリンマニュアル改定第4版_2019.10」より抜粋

【定義】
シックデイとは、糖尿病の患者が糖尿病以外の病気にかかったときの事をいいます。シックデイの原因は、発熱、風邪などの感染症や下痢、腹痛などがあります。
食事が食べれなくなると、高度なインスリン抵抗性や脱水、ケトーシスのために、普段はインスリン非依存状態で血糖コントロール良好な患者様であっても、著しい高血糖がおこったり糖尿病性ケトアシドーシスに陥ったりすることがあります。また、シックデイの状態が重篤であれば、速やかに入院による治療を要します。

 

【一般的な対応】
1. 水分は1日1〜1.5L 補給すること。
2. 異化防止のために、炭水化物を150g 以上摂取すること。
3. 食事摂取可能な場合は、経口血糖降下薬は通常通りに内服すること。
4. 食事摂取不良時は、経口血糖降下薬の種類別に対応が必要です。

 

インスリンの調節】
シックディの際は、血中のインスリン拮抗ホルモンが通常よりも増加しているので、インスリンの需要は通常よりも高まった状態であり、インスリン注射は原則として中止してはいけません。

 

自己血糖測定を実施している場合:
SMBG により血糖の動きを 3〜4 時間に 1 回ずつ測定し、血糖値が 200mg/dl を超えて上昇の傾向がみられたら、その都度速効型または超速効型インスリンを 2〜4 単位追加するように指示します。
② 毎食直前 超速効型インスリン
・経口摂取が出来ない時はインスリンを中止。
・半分以上食べられる時は通常量を注射。
③ 眠前持続型
・自己血糖測定で朝食前の血糖が高値であれば100mg/dl を目標に 2〜4 単位増量。
④ 相性混合型インスリン、混合アナログ 2 回うち
SMBG の値を元に増減する。主治医に相談する

 

【具体的には】
インスリン依存状態における調節
 ① インスリンを絶対に自己判断で中止しない
 ② 食前の超速効型インスリンの増減スケール

  SMBG 値 超速効型インスリン
  200mg/dl 以上 10%増量
  300mg/dl 以上 20%増量
  400mg/dl 以上 30%増量
  80mg/dl 以下 10%減量

 

・基礎インスリンは食事量に関係なく実施
 食事摂取量が少量であっても、基礎インスリン量として通常量の 1/2 は必要です。


【入院が必要な場合とは】
1. 嘔吐、下痢が止まらず、食物摂取不能の時。
2. 高熱が続く時。
3. 尿ケトン体強陽性または血中ケトン体高値の時。
4. 血糖値が350mg/dl 以上の時。